ギターが上手くなるために必要なこと【ブルースとトライアド】

 
ギターが上手くなるために必要なこと【ブルースとトライアド】

14歳の頃、ギターを始めた。

地元のYAMAHAミュージックスクールに通ったのであるが、まずはTAB譜(ギターの指盤上にフレット数がふってあり、視覚的にどこを抑えればよいのかが分かる譜面)の読み方から教わり、それを基にテキストの曲を練習していった。

ある程度弾けるようになった頃、同じ中学でバンドをやっていた連中に誘われバンドでギターを弾くようになった。そこでもバンドスコアというものがあり、ギターパートはTAB譜で書かれていた。オリジナルでギターパートを作るときも、コードを基に自分の感覚を頼りにギターパートを作成していった。

理論的なことは何も分からない状態だったが、そんなことはお構いなしにとにかくギターを弾きまくっていた。すると速弾きだとかライトハンドだとかのテクニック的な部分はどんどん上達していくのでうまくなった気になるのだが、ある時自分は何も弾けないことに気づいた。

アドリブでは何も弾けない

速弾きでもライトハンドでも覚えているフレーズであれば弾けるのであるが、その場でコード進行に合わせてアドリブでソロを弾くとなると全く何も弾けなかったのである。今までTAB譜に頼ってギターを弾いていたので、そのフレーズがどんな根拠で作られているのかが全く理解していなかったのだ。

一聴すると無茶苦茶に弾いている様に聴こえるハードロックやヘビメタのギターパートも、しっかりとした理論に基づいて構成されている。

そのことに気づいたのはギターを始めて10年以上が経過した後だった。

感覚から入るのは間違いではない

だからと言って、理論を知らなければ音楽をやってはいけないなどと言うつもりは毛頭ない。そもそも誰しもが音楽を始めるきっかけは感覚的なところからだと思う。何かの曲を聴いて「これはかっこいい」と感覚的に思い、自分もやってみたいと思う様になるのではないか。そこに理論的に難しいからかっこいいとか、コード進行が複雑だからかっこいいという思考は無いはずだ。

そういった思考は、後から必要に迫られたときに身につければよいと思う。

全ての音楽はブルースに通ず

同じフレーズや決まりきったフレーズを弾いていると飽きてくる。そしてもっと自由にギターが弾けるようになりたいと思うようになってくる。アドリブでギターを弾けるようになりたいと思うはずだ。

しかし、いきなり難しいフレーズをアドリブで弾こうとしてもほとんど無理である。その時にどうするか。まずは音楽のルーツを知るのが一番である。

ロックでもポップスでもジャズでも元を辿ればブルースに行きつく。ブルースの基本は12小節、3コードである。

KeyがAだと以下の様になる。

|A7   |D7   |A7   |A7   |

|D7   |D7   |A7   |A7   |

|E7   |D7   |A7   |E7   |

ロックをやってきた人間は、どうしてもマイナーペンタトニックスケールでアドリブをしてしまいがちであるが、そこから脱却するにはまずトライアドを使って、アドリブが弾ける様にする必要がある。

非常に地味な練習で、今までいろいろなテクニックや音を使って弾いてきた人間にとっては少々退屈に感じるであろう。しかし優れたギタリストは必ずと言っていいほどブルースのフィーリングが身についており、トライアドの重要性を理解している。

ジャズの帝王マイルス・デイビスは「ジミ・ヘンドリックスと仲良くなって、ギターがブルースの真髄まで近づけると分かった」と言っている。

コンテンポラリー・ジャズギタリストのパット・メセニーも「トライアドをうまく動かせなければ何をやっても上手くいかない」と言っている。

ブルースフィーリングを身に着けつつ、練習する

ただテクニックや理論が身についたとしても、音楽にとって最も重要なフィーリングが身についていないと死んだ音になる。その為ブルース音楽を聴き込み、そのフィーリングを自分の中にインプットする必要がある。

特に沢山聞きこむ必要は無く、代表的なものを2~3枚繰り返し聴けばよい。


ライヴ・アット・ザ・リーガル


フレディ・キング1934~1976


コールド・デイ・イン・ヘル

代表的なものを3つ挙げたが、3人(B.B.キング、フレディ・キング、オーティス・ラッシュ)に共通することは優れたギタリストであると共に優れたシンガーでもあるところだ。ブルースをブルースらしく歌えるという事は、ブルースフィーリングが身についているという事である。だからギターでブルースを弾いても活きた音となる。

エリック・クラプトンやスティーヴィ・レイ・ヴォーン、サンタナ等有名なギタリストも少なからずこの3人の影響を受けている。

古典的なブルースというのは、モダンな音楽に比べると聴いていてつまらないと感じるかもしれない。しかし一人前のギタリストになるには避けて通れない道である。

ということで、ギターが上手くなるために必要なことは以下の様になる。

ブルースフィーリングを身に付ける。
・トライアドを使って、アドリブを弾けるようにする

一生ブルースを聴いて弾き続けるという訳ではないので、一定期間ブルースに没頭する時期を作っても良いのではないだろうか。